こんにちはぷれ子です。今日は熱帯魚やメダカや金魚など、魚のかかる病気や不調についていろいろと解説していくよ。
症状だけでなく、具体的な治療薬の紹介なども話していくから、しっかりと読んで参考にして欲しいんだ。
今日登場する薬は、見やすいように一覧にしておいたから気になる人は見てみてね。
この記事の目次
- 1 はじめに
- 2 熱帯魚の病気治療のコツ:1『薬や塩に弱い魚』
- 3 熱帯魚の病気治療のコツ:3『隔離の方法』
- 4 熱帯魚の病気治療のコツ:2『薬浴と相性の悪いろ過材~活性炭・ゼオライトなど~』
- 5 熱帯魚の身体に白い点が!白点病の治療
- 6 ベタに多い!?発見しにくいウーディニウム病(コショウ病、サビ病、ベルベット病)の治療
- 7 穴あき病に松かさ病、ポップアイ…恐ろしい病エロモナス感染症の治療
- 8 尾ぐされ、口ぐされ、鰭ぐされ、鰓ぐされ…カラムナリス症と水カビ病(綿かぶり病)
- 9 pHの低下による不調
- 10 魚の怪我(外傷)
- 11 水換えや水合わせは慎重に、pHショック
- 12 トリートメントタンクって何?
- 13 餌不足で死亡?
- 14 本日登場した薬
- 15 まとめ
はじめに
いきなり厳しいことを言うけれど、魚の病気は治療法が確立されていないものもあり、絶対に治せるという道が存在しないこともあるんだ。
治療のつもりで薬をいれたら負担になってしまったりね。
だから、今からする話は、全て「一つの目安」として見て欲しい。
だから魚が病気になった時は、一つの情報に捕らわれず、できるだけ多角的な目線で、ベストな方法を探していこう。
まずどんな症状にも共通する重要なポイントは
- 観察
- 原因の追求
- 治療のリスクを知る
ということだよ。
日頃からしっかりと観察して、早期発見につとめる。
原因を見つけ、悪化、再発防止に努める。
今からやろうとしている治療はどのようなものなのかを、リスク面まで把握する。
この3つは頭にしっかりと入れておいて欲しいんだ。
まず最初に、病気治療のコツを紹介していくよ。
これは、いろいろな病気の治療をする上で、とても大切なことだから、まず最初に読んで欲しいんだ。
それから、病気や症状別の対処を見ていってほしい。
それと、登場する魚病薬についてなんだけど、話をシンプルにするために各項目には参考用として1種、もしくは数種をピックアップして掲載しているよ。
この記事の後半にある「本日登場した薬」に、魚病薬メーカーである日本動物薬品さんのリンクを貼らせてもらっているから、合わせて参考にしてみてね。
少し回りくどいやり方かもしれないけれど、それくらい魚病薬というものは正しく把握しないといけないものなんだよ。
日本動物薬品さんは、製品に関する問い合わせも受け付けているから、気になることは聞いてみよう。
熱帯魚の病気治療のコツ:1『薬や塩に弱い魚』
まず治療を始める前に、治療に用いられる塩や薬に弱い魚がいるという事を知っておいてほしいんだ。
それは
- ナマズの仲間
- 古代魚の仲間
だ。
このあたりの魚の治療の場合は、薬や塩の濃度を薄めからスタートして様子を見ていくのが、ベターな選択肢だと言えるんだよ。
そして徐々に濃度をあげていく。
そうやって様子を見ていくんだ。
まぁ、状況によっては「薄めでは効果が出ない」なんてこともあるから、絶対そうしろとは言えないんだけど、ちゃんと頭に入れておいて欲しい。
この話は、逆に塩浴、薬浴に強い魚というのも存在するということでもあるね。
熱帯魚の病気治療のコツ:3『隔離の方法』
魚の病気の治療について調べていくと、隔離するという話が出てくるよね。
この隔離の仕方はとても大切で、これが病魚の生死を分けることだってあるんだ。
一番良いのは、新しく水槽を用意して、前の水槽の水ごと移すこと。
そうすることで環境の変化を減らすんだ。
加温している場合はヒーターもね。
そこから水換えや、薬浴をはじめるかんじだね。
水槽内にはエアレーションをかけるなど、水を動かす処置をすると、良い場合があるということを覚えておこう。
正直、病魚に対してゆとりのある水量で治療するほうが楽だよ。
水の悪化が遅いからね。
飼育経験の長い人なんかは、そんな薬浴用の水槽とヒーターを別途で所持していることは意外と多いよ。
S水槽と呼ばれるような、小さくて軽いものでもあるかないかではだいぶ違うから、いざというときのためにストックしておくと良いかもしれないね。
同じような用途で、プラケースも使えるよ。
プラケースは小さなものであれば、水槽に浮かべて使うことも可能だ。
ただ水量が少ないからこまめな水換えなどを必要とされたりもするけどね。
病気の場合は感染の危険があるから、隔離箱のようなものは使用できないことが多いんだ。
あれは取り付けてある水槽と水を共有してしまうからね。
熱帯魚の病気治療のコツ:2『薬浴と相性の悪いろ過材~活性炭・ゼオライトなど~』
薬浴をする時に、注意したいものにろ過材がある。
活性炭やゼオライトなどの、いろいろなものを吸着する性質のあるのろ材だ。
このようなものは薬の成分まで吸着してしまうので、薬浴の効果を著しく落とすことがあるんだ。
そうなると、規定量をはかることも難しくなってしまうからまず外して欲しい。
これを逆手に取り、薬浴を終えた水槽で活性炭を使用し、薬の成分を回収して捨てるという方法をとる人もいるんだ。(絶対吸着できるというわけではないよ)
この方法は100%回収できるわけではないけれど、使い方によってはなかなか便利だから覚えておこう。
ただ回収に使った活性炭は、通常の使用期限よりも早く処分して欲しい。
熱帯魚の身体に白い点が!白点病の治療
症状 | 体表に白い点がつき、それが全身に広がっていくような症状を見せる。 初期症状として魚が身体をあちこちにこすりつけ、痒がる素振りを見せることがある。 |
原因 | イクチオフチリウスという繊毛虫の寄生。 |
治療 | 薬浴や塩浴、水温を上げるなど様々な対策がある。 |
これは本当によく見る病気だね。
初心者の多くがこの病気でつまづいているよ。
この病気は、水温に極端な差がでたりすると発症しやすいのが特徴だ。
夜間や朝方に急激な水温低下を起こしてしまっていたりね。
そのあたりは以下の記事が参考になると思うから見て欲しい。
▼水温差を生まないために
>>熱帯魚のヒーターは梅雨時期に外さないで!水温管理の話
白点病の治療は、正直観賞魚の病気としては簡単な方だ。
理由としては
- 発見がしやすい
発見がしやすいというのは、白い点が見つけやすいサイズだという意味だね。
だから早期発見ができるんだよ。
白点病に効果のある薬はかなり多く、メチレンブルー水溶液やグリーンFなどが有名だね。
初期症状の場合は、塩浴でも効果が見られる時があるよ。
さて、ここから具体的な治療について話していこう。
いろいろなケースがあるから、以下のパターンを参考にして考えてみよう。
一部の魚に少しだけ白点がついている場合
あれ?あの魚身体に1~2個白点がついているな…
そんな時はまず、その魚を隔離して欲しいんだ。
白点病は弱った魚の身体を使ってどんどんと悪化していくものだからね。
隔離をする時は、隔離箱のように水を共有するものではなく、別の水槽など完全にわけられるものにして欲しい。
そこでその魚の治療法を選択するんだ。
- 水温を上げる方法
- 塩浴
- 薬浴
この中から選ぶことになると思う。
このあたりは、フィッシュさんに詳しく解説してもらおう。
教えてフィッシュさん「白点病の治療法の選択」
1.水温を上げる方法
白点病の原因であるイクチオフチリウスは、高水温にすると活動が鈍るのです。
でもそれは絶対的な治療法ではありません。
また、高水温が苦手な魚や、無加温等で低めの水温で飼育している魚はいきなり水温を上げてしまうとダメージになってしまうことがあるのです。
前者は別の治療法、後者は徐々に水温を上げていくという方法をとるしかありません。
目安としては30℃近い水温ですが、これはなかなか負担も大きいので「簡単な方法」というふうには認識しないでくださいね。
もし水温を上げるのが不適切だと判断した場合は、水温を安定させるという手段をとってください。
日中の一番水温が高い時に、その水温に合わせたヒーターを設置するというかんじですね。
2.塩浴
昔から行われている方法です。
塩を水に溶かすことにより、魚の負担を減らすことを主目的としています。
0.3~0.5%の塩水を作るのが一般的です。
濃度は一度にではなく少しづつ、あげていきます。
効果が見られた場合も、すぐには下げず徐々に下げていくようにしましょう。
塩浴していても症状が進行する場合は、薬浴を視野に入れておいたほうが良いかもしれません。
3.薬浴
メチレンブルー水溶液やグリーンFなどを用います。
どの治療にも言えることなのですが、白点病の治療は症状が見えなくなっても最低1週間は継続してください。
そうすることで再発のリスクを減らすのです。
白点が見えなくなったとしても、すぐにやめてはいけない。
そう覚えておきましょう。
ありがとうフィッシュさん。
さて、もう少し話をしていこう。
よくこの3つの治療について話をすると
- 水温を上げる→塩浴→薬浴
と、切り替えていけば良いと言う人もいるね。
これは「できるだけ負荷の少ない治療から進めていき様子を見よう」という考え方の一つで、なかなか悪くはない方法だ。
でもこの考え方は少しリスクを含んでいるということも忘れないで欲しい。
この方法をとっていると、時間がかかりすぎて魚の体力がドンドン奪われていく可能性があるんだ。
単純に長引くし、いろいろな治療、つまり普段とは違う環境をいくつも味合わせるわけだからね。
そうならないように「最初から薬浴をする」という考えがあることも、知っておいて欲しいんだ。
両極端に見えるこの2つのアプローチだけど、どちらも魚にいかに負担をかけずに治していくかという視点から考えられていることだよね。
さて最後になってしまったけれど、この方法ではとても大切なことがある。
それはメインの水槽で白点病が他に出ていないかということだ。
隔離をしたあとにも、他の魚が発症しないかのチェックはしっかりとしてほしい。
そして白点病を出してしまった原因を探して欲しいんだ。
温度差だと思われるなら、本水槽の水温が安定するように加温をする…
こういうかんじだね。
もし続々と白点病の魚が出てくる場合は、次の項目の「蔓延させてしまった場合」へと頭を切り替えて欲しい。
白点病を蔓延させてしまった場合
白点病の魚がたくさんいる、白点だらけになってしまった魚が何匹もいる…
こういう時はかなりヤバイ状態だ。
こういう風になってしまった理由はいろいろとあるのだけれど、蔓延してしまった時ほどその理由を見つけるのが難しいものなんだ。
だからまず
- 外部から持ち込んだ
- 環境が不安定
などという、定番の理由から考えて欲しい。
白点病が蔓延しているような環境は、ちゃんと根本から見直しをする必要がある時がほとんどだよ。
魚の大半が白点病になっている場合は、もう「生き残る魚」を探していかなければならないような状況の時もあるね。
ただ、一つ強く意識してほしいことがある。
白点病のような見つけやすい病気をここまで放置してしまったことだ。
余程のことがなければ、白点病というのは徐々に広がっていくんだ。
そして、状態が悪くなればなるほど、進行の速度は速くなるよ。
だから、この時点からでもいいから、こまめな観察は欠かさないようにしよう。
治療法としては、賛否両論あるのだけれど、水槽全体に薬浴を施すのが良い。
ただそれをやると、ろ過材や砂利についたバクテリアも死滅する可能性があるから、次の環境が立ち上げにくくなるんだ。
だから、賛否両論なわけだね。
さて方法なんだけれど、水温上昇に弱い魚がいたりする場合以外は、まず水温を上げてほしい。
ただ酷い白点病を患っている魚はその負担で死んでしまう可能性もあることを覚えておこう。
水温を上げるペースは、できるだけゆっくりと。
0.5℃刻みくらいで、一回あげたら最低でも数時間はその温度にならしてからもう一度上げるという方法をとってほしい。
小さな水槽であればあるほど、そのペースはゆっくりにしよう。
それと並行して薬浴を行うのだけれど、あることをやってほしい。
水草と、レイアウト素材をそっと取り出すということだ。
薬浴により水草が枯れる危険性があるからね。
それにレイアウト素材があると、死んだ魚が影になって見つからないこともある。
そういうリスクを省くためにシンプルにするんだ。
ただ静かに取り出さないと、汚れを舞い上げて水槽内を滅茶苦茶にしてしまうから注意をしよう。
薬浴の方法は、いろいろと考えたい部分ではあるのだけれど、もうここは規定量を守ることから始めてみるのが良いと思うよ。
薬の使い方、効果などをしっかりと熟読し、最悪の中でのベストを尽くして欲しい。
非情なようだけれど、死んだ魚だけでなく、もうこの魚はダメだな…と思われるものは、水槽から隔離していくのも方法として覚えておこう。
白点病まとめ
白点病って本当にメジャーなのですわね。
うん、そうだね他の病気は未経験だけど、白点病は経験したことある人は多いんじゃないかな。
予防法ってないんですの?
うん、そうだねやっぱり水温差に気をつけることかな。
季節の変わり目なんて小さい水槽だと外気温の上下に左右されやすいからね。
あー、だから初心者には水がたくさん入る水槽をおすすめするところが多いのですね。
うん、そうだよ。
水が多いと水温変化が緩やかになるからね。
なるほどですわ。
他にも早期発見に慣れるということかな。
進行さえしていなければ、症状の出ている数個体の治療だけですむからね。
症状さえ軽ければ体力もあるから、薬浴にも耐えやすいし。
なるほど、なにごとも早期発見と…これってどんな病気にも言えることですわよね。
うん、そうだね。
ぷれ子さんはどんなかんじで対応しますの?
ん、状況にもよるけれど、見つけたら即隔離、メチレンブルー水溶液で2週間程度の薬浴だね。
メインの水槽はちょっと多めの水換えかな。薬浴は数日に一度水換えもするね。
まぁ、最近は白点病自体でないけどね。
へぇ、なんか予防してるんですの?
うん、ぶっちゃけた話、熱帯魚だと私は夏でもヒーターはずさないからね。
ほとんど作動しないけど、たまにある寒い日とか季節の変わり目とか朝方寒かったりするからさ、怖いじゃん?
備えあればなんとやら…ですわね!
うん、なんとやらだ。
ベタに多い!?発見しにくいウーディニウム病(コショウ病、サビ病、ベルベット病)の治療
症状 | 体表にコショウのような小さな点が現れる。 初期症状として魚が身体をあちこちにこすりつけ、痒がる素振りを見せることがある。 個体によっては泳ぎに異常性が現れることも。 |
原因 | ウーディニウムという繊毛虫の寄生。 |
治療 | 薬浴や塩浴、水温を上げるなど様々な対策がある。 |
これは白点病によく似ているよ。
治療方法も白点病を参考にしてくれれば良いかな。
ただウーディニウム病の怖いのは、白点病よりも点が小さいから、発見が難しいということだね。
しかもベタによく起きるってこと。
ベタは、結構適当に飼育される魚の代表みたいなところもあるから、観察のしにくいコップとかビンで飼われているよね。
▼ベタってどんな魚?
>>ベタなめんな!熱帯魚ベタの飼育方法を覚えよう!
だから見つかった時にはもう遅い…なんてレベルまで進行しているときがあるんだよね。
これがエラに寄生すると、呼吸ができなくなるからすぐ死んじゃうんだよ。
ウーディニウム病まとめ
白点病と同じかんじでよいのですわね!
うーんちょっと違うかなぁ、なんていうか「見つけにくい厄介な白点病」くらいなかんじで、捉えておくほうが良いかもしれないね。
なるほど、治療も難しいんですの?
私の感覚だけど、これは白点病よりもちょっと手強い気がするよね。
むむ…そうなんですの。
うん、あと、やっぱりこの病気と言ったらベタだよね。あとグラミーとかかな。あの手の魚に多いんだよね。
一番多いのは持ち込んで発症することな気がするから、購入直後は特に注意しようね。
はーい。
穴あき病に松かさ病、ポップアイ…恐ろしい病エロモナス感染症の治療
症状 | 様々な症状がある。 体表の充血。 鱗が逆立つ、目が飛び出すなど。 |
原因 | 常在菌であるエロモナスによるもの。環境の悪化によりおきやすい。 |
治療 | 水換えや薬浴。治療が困難なことで知られている。 |
常在菌、つまり普通に水や魚とともに生きている菌による感染症だよ。
普段は何の問題もないけれど、環境が悪化したり、過密飼育などのストレスにより牙をむくことがあるんだ。
このエロモナス感染症に該当する病気は、非常に治療が難しいことで知られているよ。
主だった治療は
- 水換えや底床掃除などの環境改善
- 薬浴
だ。
まず掃除をする理由としては、エロモナス感染症が水質や環境の悪化から起きていることが多いからだ。
例えばコリドラスやアピストグラマなどの水槽の底のほうを好む魚…
彼らは底床(砂や砂利などの水槽の底に敷くもの)に汚れが溜まり過ぎると、このエロモナス感染症を発症しやすい。
事実彼らは、他の魚に比べてエロモナス感染症にかかりやすいとも言われているんだ。
この対策は、日頃から底床の汚れを溜めないこと。
プロホースのような器具で、水換えの時にまめに底床の汚れを抜くんだ。
これはそのまま治療法にも適用される話だね。
この手の魚は、エロモナス感染症対策として底床を薄く敷いて飼育するという方法があるね。
深居場所でも5ミリ程度。
そのくらい浅い砂にすることで、汚れを溜めにくくするという方法だ。
これは、コリドラスやアピスト飼育者の間ではわりとメジャーな手段の一つだよ。
ただ、これらの方法は「行えば良い」というわけではないんだ。
しっかりとその「意味」を理解してやらないといけないんだよ。
そのあたりは↓の記事で解説しているから、合わせて参考にしてほしいんだ。
▼エロモナスについてより深く知る
>>コリドラスのかかりやすい病気エロモナスを防止する方法
他にも、同じようなことだけど、レイアウトを複雑にしないということもある。
食べ残しや糞が、知らず知らずに溜まっているところもあるからね。
初心者にありがちなパターンで
「水草が食べ残しとか糞を分解してくれるから大丈夫」
と思い込んでいるパターン。
確かに植物はいろいろと有機物を分解してくれるんだけれど、それを過信しすぎているケースが非常に多いんだ。
植物の分解だけで間に合うような環境は、意外と作れないということを覚えておこう。
さて、エロモナス感染症の治療の話をもう少し続けよう。
エロモナスは二種類のものに区別されている。
- 運動性エロモナス
- 非運動性エロモナス
この2つだ。
松かさ病、鰭赤病、ポップアイは運動性エロモナス。
穴あき病は非運動性エロモナスが原因だと言われているね。
この手の病気は薬の選択肢がいろいろとあるのだけれど、そのぶんどれを選ぶかということが難しく感じる人もいると思う。
中にはなかなか強い薬もあるから、用法用量を守ったり、徐々に濃くするという基本はしっかりと意識して欲しい。
非運動性エロモナス、つまり穴あき病は意外と熱帯魚の飼育者からすると馴染みないものであることが多い。
それはなぜかというと、非運動性エロモナスが高水温に弱いという性質かあるからだ。
だから、穴あき病は金魚や鯉の飼育で恐れられているよね。
逆に運動性エロモナスは25~30℃という熱帯魚にドンピシャな温度で活発化するからたちが悪いよね。
このあたりを勘違いすると大変なことになるから覚えておこう。
さて、各症状について見ていこう。
運動性エロモナス:充血…鰭赤病、赤斑病など
身体に充血が見られる。
これはエロモナスの初期症状としても知られているよ。
ただ、そのまま悪化して行くパターンも有るね。
鰭赤病は鰭(ヒレ)が赤くなりそのまま無くなってしまうという病気だね。
尾腐れ病と勘違いする人もいるけれど、ちょっと違うんだ。
充血というポイントに注意して見て欲しい。
この手のパターンは、初期段階であれば水換えや掃除などで対応していくと徐々に回復していく場合が多いんだ。
病気がまだ初期段階だとしても、グリーンFゴールドリキッドのようなやや弱めの薬を試すことを視野に入れてもいいかもね。
ただ進行が早い場合は、エルバージュエースのような、より強い薬を最初から使うほうが良いこともあるよ。
この辺りの選択は凄く難しいんだけどね。
- 弱い薬を長めに使用
- 強い薬を短期間使用
- 弱い薬で治らなかったら強い薬へ
いろいろなパターンの薬浴、どれが正解だとは言い切れないけど、できるだけ良い方法を考えてみよう。
あと、充血が出てきた時は、他の症状が出てくる前触れな時もあるから、いろいろとチェックしておいて欲しい。
運動性エロモナス:松かさ病
鱗が逆立ち、松ボックリみたいになってしまう病気だね。
治療にはとても時間がかかる場合が多いよ。
水換え、薬浴という基本的な方法が効果的なんだけど、長い目線で見た飼育環境のメンテナンスが必要なんだ。
運動性エロモナス:ポップアイ
魚の目玉が飛び出してしまうという病気だね。
放置していると、どんどん出てきて目が捕れてしまうことも多いんだ。
初期段階であれば、0.3~0.5%の塩浴で治せる場合もある。
ただ水質の悪化を原因としている場合は再発する可能性があるけどね。
コリドラスやアピストグラマなどがなりがちな症状だから、注意深く観察しておいて欲しい。
非運動性エロモナス:穴あき病
その名の通り、身体に穴があいたようになっていく病気だ。
薬としては観パラDがよく用いられているね。
他にも穴あき病に効果のある薬はいくつかあるんだよ。
グリーンFゴールドリキッドより観パラDのほうが強い、そしてそれより強いのがエルバージュエースという感じで、威力の差もあるから覚えておこう。
穴あき病は、次に紹介する「カラムナリス症」でも使われる言葉だから、混同に注意しよう。
エロモナス感染症まとめ
なんですのこの病気!症状もたくさんあれば治療薬も色々で…よくわかりませんわ!
うん、まさにそれがエロモナスの難しいところでもあるね。
うむむ…
とりあえず、良く使われる薬をまとめると
- グリーンFゴールドリキッド
- 観パラD
- エルバージュエース
とかだね。
エロモナスは、人によって「薬はこれがいい、あれがいい」ってのが大きく別れる病気でもあるよね。
お……
ひどくなると致死率も高いからね…不治の病なんて呼ばれていたりもするよ。
え…怖いですわ…
うん、怖いね。だから普段から病気を出さない環境をしっかり作ることを意識して欲しいんだよね。
む…それが一番難しいことですわ。
まぁね、ただ水替えするだけでなく、底床の掃除、ろ過、いろいろな部分に意識を向けないといけないからね。
まぁ極端な言い方をすれば、それが魚を飼うということだよね。
確かに…あ、ぷれ子さんはエロモナス感染症を経験したことありますの?
うん、昔ね、コリドラスの飼育で経験したよ。
なんていうか、エロモナス感染症が出ているのを気が付かずに購入しちゃったんだよね。
その時はエルバージュエースを使ったね。
…エルバージュエースって強い薬ですわよね、魚への負担も大きいとか…
うん、そこはほんとうに難しい所だね。
負担の少ない方法だと、効力が弱い、でも強いと負担がかかるから魚が弱ってダメになることもある…そういう部分でもエロモナスは難しいと言われるんだ。
なるほどですわ…
エロモナスは常在菌だからね、外から持ち込むとかそういうタイプの病気じゃないというのがまた厄介だね。
やっぱり日頃からちゃんとしたメンテナンスをして観察をしておくことが一番重要になるね。
常にいる菌ということですわね。
うん、だから普段は大丈夫なんだんけどね、弱った個体とかはやられるよ。
まぁ発症した個体は、念には念をというかんじで、隔離してから治療することをおすすめするけどね。
いつも同じ方法で治せるとも限らない…そんなかんじですの?
うん、そうだよ。だから難しいんだ。
でもよく考えたら人間の病気も、同じものでもいろんな症状も治療法もありますもんね。
うん、そうだね。
一つだけでなくいろんな角度から見ることが大事だよね。
尾ぐされ、口ぐされ、鰭ぐされ、鰓ぐされ…カラムナリス症と水カビ病(綿かぶり病)
カラムナリス症
症状 | 様々な症状がある。 感染した部位がうっ血し、溶けていってしまうような症状が起きる。 感染した場所によりリスクが大きく異なる。 |
原因 | フレキシバクター・カラムナリスという細菌によっておきる。 |
治療 | 主に水換え、塩浴、薬浴で対処される。 |
水カビ病(綿かぶり病)
症状 | ふわふわした白い綿のようなものが体表につく。 傷口などにつきやすく、カラムナリス症と並行して発症しやすい。 |
原因 | 水生菌類であるミズカビによるもの。 |
治療 | 塩浴や薬浴、水換えなどで対処する。幹部に直接薬を塗ることもある。 |
どちらも環境の悪化によりおきやすい病気だよ。
傷やスレがある魚の感染率が高いよね。
過密飼育でカラムナリス症が出やすいのもそのせいだね。
穴あき病とよばれることもあるのだけれど、その病名はエロモナス感染症に使われる場合もあるから注意しよう。
熱帯魚の場合、飼育水温が、非運動性エロモナスがなかなか活動しない温度だから、こっちのカラムナリスによるパターンのほうが多いよ。
エロモナスによる穴あき病のほうが、深くえぐれることが多く、部分的であることが多いね。
患部が浅く削れたように、広くなっていくようならカラムナリス症を疑おう。
カラムナリス症の中でも特に怖いのは、口、鰓だ。
どちらも呼吸にダメージがあるからね、致死率がかなり高いよ。
口の場合は餌も食べられなくなる危険があるから注意しよう。
水温が高いと進行が早くなるから、高水温治療のような真似はしないでおこうね。
さてここから、もう少し話をすすめていくよ。
カラムナリス症の治療
カラムナリスの治療は、殺菌ということに目を向けることになる。
0.3~0.5%の塩浴や、グリーンFゴールド顆粒、エルバージュエースなどだ。
ただ割と進行の早い病気だから、ある程度強い薬を使ってさっさと治してしまうことも視野に入れなければいけない時があるね。
感染した個体は、できるだけ完全な隔離をして治療をしてほしいね。
隔離水槽もそうだけど、発症した個体のいる水槽は水換えをして環境の改善をはかろうね。
水カビ病(綿かぶり病)の治療
傷口やカラムナリス症の患部に水カビがつく。
これは意外とあるパターンだよ。
早い段階で見つければ、塩浴、薬浴で解決できることもあるよ。
ひどくなってきた場合は、水カビをピンセットなどで優しくとってあげて、そこに直接メチレンブルー水溶液を塗って薬浴を続けるということもあるね。
その場合は、浅く水を溜めたトレーに魚を寝かせ、手をしっかりと濡らしてすみやかに作業しようね。
上手くできない場合は、無理をせず、患部にメチレンブルー水溶液を塗るだけにとどめておこう。
ただ、これはメチレンブルー水溶液という「弱い薬」だからできることで、強い薬で同じことをやろうとしてはいけないよ。
もし複数の薬を用いるとき(メチレンブルー水溶液を塗って他の薬品で薬浴)の場合は、相性をしっかり調べておこう。
心配な場合はメーカーや詳しいショップなどに問い合わせて確認をとろう。
カラムナリス症、水カビ病まとめ
怪我をした魚がなりやすいんですの?
うん、絶対とはいえないんだけどね、傷があるとなりやすいね。
怪我した個体とかは症状がなくても隔離して、薄めのメチレンブルー水溶液で薬浴して予防するって手段もあるよ。
しばらく薬浴して、それから普通の隔離箱で完全に治してから水槽に戻したりね。
そういう時は隔離箱はできるだけ大きい方がいいね、狭いと嫌がる魚多いからさ。
なるほどですわ。
まぁ怪我する魚が頻繁に出るようだと、環境そのものを見なおさないといけないけどね。
例えばコリドラスみたいな底床魚を、ゴツゴツした角のある砂利や石を多用した水槽に入れているとかね。
あーそういうところだと、治っては怪我して、治っては怪我してというかんじになってしまうということですわね!
うん、そうだよ。あとは混泳の組み合わせとかね。
飼育に慣れていないうちは、自分の手におえるレベルのシンプルなレイアウトにしておくのもいいかな、あまり複雑だと予期せぬことが起きるからね。
初心者は調子こくな!ということですわね!
いや…まぁ…いや…そこまでは言ってないつもりだけど…うん…そうかもね…
pHの低下による不調
症状 | 食事を与えているのに痩せていく。 病気でないのに魚が死んでいく。 |
原因 | pHの低下 |
治療 | 水換え、掃除、サンゴ砂の投入など |
これは病気じゃないんだけど、意外とあることだから覚えておこう。
一部の魚を除いてpHが低すぎるのは調子を崩す原因になるんだ。
pHとは何か…というのは以下の記事を参考にしてみてね。
▼pHについて勉強するんだ!
>>弱酸性、アルカリ性?熱帯魚水槽pH(ペーハー)初心者講座
「水換えも掃除もしていて、病気も出てないのに魚が死んじゃう…」
なんて時は、これを疑って欲しいという感じかな。
水槽というのは、立ち上げたばかりではろ過のサイクルが出来上がっていないから、中性~弱アルカリ性という水質になりやすいんだけど、ろ過ができてくると弱酸性になりやすいんだ。
そしてそれが進むと…かなり酸性…つまりpHが低いと言われるような状況になるわけだね。
怪しいなとおもったら、一度pHをはかってみてほしい。
心配な人は日頃から計測しておくと、感覚もつかみやすいよ。
このケースの怖いところは、水替えしたくらいではpHが戻らないことがあるということだね。
一時的な上昇をしてもすぐに落ちるとかね。
そうなってしまった場合は、ろ過材を洗ったり、一部交換したりなどの対応をする他に、水質をアルカリ性、つまりpHを上げる作用のあるサンゴ砂などを投入してバランスをとるなどの方法があるね。
※サンゴ砂はpH以外にも影響があるので、魚によっては相性が悪いこともあります。
そのあたりは、さっき紹介した記事に書いてあるから一度目を通しておいてほしいな。
この症状は、ある程度の期間維持できて、状態が良かった水槽に起きがちだから、初心者が慣れてきた時に落ちる落とし穴でもあるんだよね。
pHの話や管理は、少し難しく感じるかもしれないけど、ステップアップとしてしっておいてほしい。
魚の怪我(外傷)
症状 | 外傷、やけど、ひれが裂けたりなど外部からのダメージ |
原因 | 喧嘩、ヒーター、レイアウトなど |
治療 | 環境の見直し、隔離、二次感染に注意 |
飼育している魚が、怪我をしてしまうこともあるんだ。
そんな時はまず、なぜ怪我をしたかを考えて欲しい。
なぜならその原因を取り除かないと、また怪我をさせてしまうことがあるからだ。
ここからいくつかそのパターンを紹介していくから、参考にしてみて欲しい。
また、傷口は二次感染の危険性があるから、傷がひどい個体の場合は隔離して回復をさせるようにしよう。
ヒレが裂けている
魚がちょっと小競り合いをしたり、何かに引っ掛けてヒレが裂けてしまったパターンだ。
軽いものであれば放置しておけば治ることが多い。
ただ、レイアウトに引っかかりやすい場所が多いなどの問題があったり、混泳魚の相性が悪い場合はいずれ大きなトラブルに発展する可能性が高いので、対策をしていきたい。
よく初心者が「隠れ家を多くしてトラブルを避ける」という事を勘違いしてこのパターンになることもあるから注意をしてね。
単純に水槽内に障害物を多くしてしまい、逆に弱い魚が追い込まれたりして傷ついてしまうというケースだね。
やけどのような傷がある
やけどのようなかんじの傷がある場合は、ヒーターの設置の仕方を考えて欲しい。
魚によっては妙にヒーターと何かの隙間に入りたがることがあるんだ。
そういう場合はヒーターを魚が隠れたがるような流木などから放して設置したりヒーターカバーを使用して欲しい。
逆にオトシンクルスなんかは、ヒーターカーバーに挟まることがあるから、個体がまだ小さい場合等は使用しないほうが良い場合もある。
やけどのような傷に似たかんじになるパターンに、プレコの舐め傷があるよ。
全てのプレコがやるわけではないんだけど、他の魚の粘膜を舐めとってしまう時があるんだよね。
ある程度成長したセルフィンプレコなんかは注意が必要だよ。
▼セルフィンプレコってどんな魚?
>>熱帯魚図鑑:プレコ図鑑第二弾!セルフィン、ロイヤルなど
水換えや水合わせは慎重に、pHショック
症状 | 体色や泳ぎ方がおかしくなる |
原因 | pHの差 |
治療 | 軽いものであれば様子を見る、おきてからでは対処が難しいので起こさないように。 |
pHが急激に変化すると、魚がショック症状を起こすことがあるんだ。
これは起こしてしまうとなかなか対処が難しいから気を付けて欲しいんだ。
なぜなら一度pHショックを起こした魚を、元のpHの水に戻してもまたダメージになったりする可能性があるからね。
単純にそんな水を用意するというのも簡単ではないからね。
対策としては、魚の導入時の水合わせを慎重に行うということ。
水換えの時は、細めのホースや小さい容器を利用して少しづつ足していくこと。
ようは、急激に水質が変化しないように作業するということだね。
病気を起こした場合は、大量の水換えを行うこともあるけれど、そんな時は急ぎつつも落ち着いて、できるだけ静かに水換えを行うようにしよう。
トリートメントタンクって何?
いろいろな魚が一つの水槽で泳ぐ、混泳水槽。
ここはある種、病気のリスクがとても高いと言える環境でもあるんだ。
一番怖いパターンは、外部からの持ち込み。
新しい魚に病気までついてきてしまったパターンだ。
病気は目に見えないこともあるから、完璧に防ぐことはできないからね。
そんな時に役立つのが、トリートメントタンク。
わかりやすく言うなら、メインの水槽にいれる前に、一時的に購入した魚の様子を見るための水槽だね。
まぁ、検疫的なかんじかな。
そこでしばらく飼育して、もし病気が出たら、薬浴して治してからメイン水槽に。
そんな段階を踏んでいる人は意外と多いんだ。
このトリートメントという行為は、お店が行っていることもあるね。
たまに、水槽の水に色がついていて「トリートメント中です」としてあったり、魚はいるのに値札がなく「入荷直後で様子を見ているから販売できない」なんて水槽を見たことある人もいるんじゃないかな?
少し専門的な話になるけれど、入荷してくる魚というのはいつも万全じゃないんだ。
単純に海外とかから来るからね、輸送距離も長いし、疲れて調子を崩しているものもあるんだよ。
そんな魚をそうやってトリートメントしてから販売しているお店というのは、結構たくさんあるんだよね。
そういったお店は、病気治療についても詳しいから、良き相談相手になってくれることもあるよ。
まぁそういう素敵なお店はどこにでもあるわけではないけれど、一応頭に入れておくと良いかもね。
餌不足で死亡?
これは初心者がたまに病気と勘違いしてしまうんだけど、餌が上手く行き渡らなくて死んでしまうということって、意外と身近にあるんだ。
例えばオトシンクルス。
苔取り用として販売されていたから、餌はいらないと思って飼って餓死させてしまう人って意外と多いんだよね。
▼餌やりのコツを学べ!
>>餌マスターになれ!熱帯魚の種類別『餌』の種類と与え方!
まぁ逆に与えすぎて水質を悪くしてしまったりね。
そんなふうにならないように、しっかりと気をつける。
そうやってちゃんと体力のある魚を仕上げていくんだ。
「餌はただあげていれば良いというものではない」ということを知ることは、病気の予防になるとも言えるね。
本日登場した薬
さて今日登場した薬を一覧にするよ。
薬には
- 強さ
- 効果
がいろいろとあるから、状況により使い分けて欲しいんだ。
それと、今日紹介した以外にも薬はいろいろとあるということ。
魚病薬の会社として有名な日本動物薬品の公式サイトのリンクを掲載しておくから、参考にしてみてほしんだ。
▼日本動物薬品のサイトを見る
>>魚病薬一覧ページヘ
日本動物医薬品のページは、薬一覧だけでなく、症状別の対策一覧も役立つから、合わせて参考にしてみよう。
ただこのページは、金魚と鯉も掲載されていて、その中には熱帯魚には適用できないこともあるから注意しようね。
薬によっては高めの水温と相性が悪いことがあるんだ。
寄生虫対策で使われるリフィッシュなどは28℃以上、pH8.0以上では使用しないようにとされているよ。
メチレンブルー水溶液
白点病、水生菌症、尾ぐされ症状の治療と予防に。本品10mlを水量40~80Lの割合で薬浴する。薬効は5~7日間。
画像出典元:日本動物薬品
グリーンF
白点病、水生菌症、尾ぐされ症状ならびに細菌感染症の治療と予防に。
本品5gを水量30~40Lに溶かし、薬浴する。薬効は5~7日間。画像出典元:日本動物薬品
グリーンFゴールドリキッド
細菌感染症(穴あき病)の治療に。
本品10mlを水量約10Lの割合で薬浴する。薬効は10~14日間。画像出典元:日本動物薬品
グリーンFゴールド顆粒
細菌感染症(皮膚炎、尾ぐされ病等)の治療に。 本品1gを水量約32~40Lの割合で溶かし、薬浴する。薬効は5~7日間。
画像出典元:日本動物薬品
観パラD
細菌感染症(穴あき病)の治療に。本品1mlを水量10Lの割合で薬浴する。薬効は10~14日間。
画像出典元:日本動物薬品
観賞魚用エルバージュエース
細菌感染症(皮膚炎、穴あき病、尾ぐされ病等)の治療に。本品0.5gを水量約60Lの割合で薬浴する。薬効は3~5日間。
画像出典元:日本動物薬品
まとめ
さて、今日紹介した魚の不調、どうだったかな?
いろいろな場面で話をしたとおり、魚の病気の治療は一言では語れないなかなか難しいものなんだ。
薬の濃度一つとっても、経験と勘を要求される。
飼育技術が向上していても、予期せぬ病気には対応できなかったりすることなんて珍しくもない。
だから病気というものを甘く見ないで欲しいんだ。
熱帯魚、メダカ、金魚…その全ての病気を完璧に治せる人なんてなかなかいないものだけど、できるだけ学び、観察してベストでなくとも、ベターな選択くらいはできるようになりたいね。
まぁ、一番良いのは病気を出さないように日頃から予防を含めたメンテナンスをすることであることは間違いないよ。
魚って病院ないんですの?
うーん、無いとは言えないけど殆どないかな。海外とかだと、少し盛んな国もあるみたいだけどね。
日本は遅れているというわけですわね!
いや、必ずしもそうとは言い切れないよ。
どうしてですの?
冷静に考えてみて、魚みたいな小さな水の生き物を、病院まで連れて行くってなかなか困難じゃない?
輸送中のダメージも無いように運べる人がどれくらいいるかな?
あ…確かに。
うん、だからね観賞魚の病気ってのは、自宅でできる治療の発展がどうしても必要なことだったと思うんだよね。
なるほど…一理ありますわ。
でも相談できるところは欲しいですわ…
うーん、それはそうかもね。
私の場合はよく行くお店の人とかに教えてもらったりしているね。
やっぱりいろいろな経験をしている人が近くにいると助かるよね。
だから魚って「信頼できるお店で買おう!」ということが言われているんですわね。
うん、そうだよ。
まぁ一番大切なのは飼育者がちゃんと観察して、勉強して、経験して成長していくことだけどね。
飼育している魚を守れるのは、自分だけだからね。
勉強、たしかに大事ですわね。
うん、なんていうかいろいろな情報があるけれど、鵜呑みにしないことだね。
疑えというわけではないけれど、魚の飼育を数値や言葉だけに頼らず、目で見て感じながら考える事が大切だと私は思うかな。
ふむふむ…それは人生にも言えることですわね…ってあれ!?
ん?どうした?
なんか今日ワタクシ達…凄くまじめに話をしていませんこと?オチは?ボケは?
え…私はいつも真面目だぞ?もしかしてお前…普段のあの態度、天然じゃなくてフザケてたのか?
いいえ!天然ですわ!ワイルドですわ!
ワイルドの使い方違うだろ…
ニホンゴムツカシイデスネー
いや…ワイルドは英語だからな…
ナイスツッコミですわ!
(イラ…)
▼普段の萌菜がどんな態度か見てみたい人はコチラ!
>>「ぷれ子と愉快な仲間たち」の記事一覧
▼そもそもお前ら誰だよって人はコチラ
>>キャラクター紹介
結構前の話ですが、飼っているネオンドワーフレインボー数匹の内の1匹が徐々に痩せ始め、虚ろな目で水面近くで漂うように泳ぐようになってそのまま★になる…というようなことが何回もあって辛かったです
必ず1匹ずつ発症して恐らく自分の力量不足ですが薬浴させたやつもそのまま落ちてしまいました
外傷も、外見の変化もなくて結局何の病気だったのか、寄生虫なのか、自分の飼育方法がマズかったのかわかりません
1回買い足したのですが結局今は1匹しかいません(そいつは元気ですw)
ぷれ子さんはこういう謎の病みたいなものに悩まされたことはありますか?
こんにちは。ぷれ子だよ。
ネオンドワーフレインボー、残念だったね。
原因がわからないトラブルって結構体験してきたよ。
例えばpHが下がりすぎて飼育している魚に合わないとかね。
あれはまた病気とは違うから、初めて体験した時はすごく悩んだよ。
そういうかんじでアクアリウムって、目で見てもわからないトラブルもあるからなかなか難しいんだよね。
きっと今のコンセント欠乏症さんみたいに、いろいろ悩んで、自分なりの飼育法ってのが確立されていくのかなぁと、私はよく思うんだ。
つらいこともあるアクアリウムだけど、一緒に頑張っていこうね!
いつもお世話になっております。
ベタの記事にてご挨拶させて頂きましたが、ご相談を兼ねてこちらにて近況報告させて下さい。
あれから2週間程フィルターのみで水作りをした後、ハーフムーンのベタを1匹購入しました。
しかし1週間後に尾ぐされ病になってしまい、即「グリーンFゴールド顆粒」にて10日間の薬浴を実施。
一旦は治ったのですが、またすぐにヒレの縁が充血してしまいました。
尾ぐされが再発したと考え、別容器にて薬浴を再開しつつ、環境の悪さが原因と思いメイン水槽のリセットを検討していますが、抜けや誤りがあるのではととても不安です。
そこでプレコ様の考えをお聞かせ願えませんか?
水槽は30キューブで水深20センチのベアタンク。
レイアウトは40センチ水槽クラスのスポンジフィルターと120wヒーター、おやすみリーフのみです。
糞掃除は毎日実施、水換えは3リットルと掃除で減ったぶんの補充のみで水温は26度固定。
カルキはアクアセイフ+で抜いています。
長文で申し訳有りませんが、よろしければアドバイスの程よろしくお願いします。
海苔さんこんにちは。
なんか大変そうだね。
ベタ、特に尾の大きいタイプは尾からくると目立つよね。
私の場合、ベタを薬浴する時は水を動かさないことが多いかな。
ろ過とかをつかわないかんじだね。
これは私が負担を少しでも減らしたいという考えからきてるんだけど、そのぶん水換えとか考えないといけなくなるから絶対ではないから気をつけてね。
あとヒーターは一応カバーを使うことが多いよ。
とりあえず今は始めた薬浴の様子を見ることが大切だよね。
元の水槽に戻す時は、慎重な水合わせをすると良いと思うよ。
他には私なら、一度環境は水流とか、水換えとかいろいろな要素を疑ってみるかな。
フィルターが動いていて、遮るものがないと意外と強い流れになっていたりもするからね。
水換えの時は水温を細かく見てみたり。
そのあたりはもうすでに実践していたらごめんね。
なんかあまり参考になりそうなこと言えなくてごめんね。
海苔さんのベタさんが調子良くなることを願っているよ。
ぷれ子さんこんにちは。
ベタ飼育でこちらのサイトを参考にさせて頂く事が多いです。個人的に分かり易かったもので。
現在約1歳(推定)の♂がポップアイにかかっているんですが、なかなか治らず苦悩しております。臆病で気が弱く、薬浴中に気落ちしてしまう為にいたたまれなくなり現在ブラックウォーターに戻していますが、機嫌は良くなるものの症状は良くなりません。薬浴はどれくらいで症状の緩和が見られるものでしょうか。また、個体差は勿論あるのを承知の上で、効果的な方法などアドバイス頂ける事はありますでしょうか。
(治療に使用している物:1L水槽・グリーンFゴールド顆粒)
ショップで聞いたら出た目は戻らない…などと言われましたが、そんな事は無いと信じております。
それと別の話になりますが、つい2日前、若い♂が急死してしまいました。
前の晩まで元気で、翌朝餌を食べた後、急に体調を崩し、底にじっとして動かず呼吸が荒くなりました。
そのまま衰弱して、夜に死んでしまいました。
その日に限って家を空ける予定があり不安ながらも空けてしまったのですが、全てキャンセルして付き添ってやれば良かったと号泣ものです。
元々、店でボロボロ(鰭、穴空いてたし濁った水に入れられてた…)になっていたのを連れ帰り、元気になった子だったので油断したのかも知れないですが。
ベタの急死は初めてでしたので調べられるだけ調べましたが、症状からは急性アンモニア中毒ではなかったかと…換水したばかりだったのですがその日は朝から30℃越えで、水温も29℃くらいあったので。因みにブラックウォーターです。
こういうケースは経験された事ありますか。
残っている子達の為にも、何としても原因を突き止めたいのです。
長くなり済みません。情報不足かも知れませんが、ご意見お聞かせ願えれば幸いです。
船長さんこんにちは。
返信遅くなってごめんなさい。私の印象だけどベタは普段強いぶん、調子を崩すとなかなか持ち直すのが難しい気がするんだよね。(もちろん個体差もあるのだけれど)
薬浴の効果なんだけれど、これは船長さんの言う通り個体差ががっつり出るものだと思うんだ。
混泳水槽の薬浴でも、効果がすぐ出る魚、再発する魚、薬浴で調子を崩す魚とでてくるからね。
だからこそどうしても「様子を見ながら」といろいろな人が言うしか無いのだろうね。
私の場合は、薬浴をする時はどういう風にやったかということをできるだけ細かく覚えておくようにしているんだ。
でもそのやり方が次に通用するとは限らない。
そういうかんじで見ていくと、意外とヒントが見えてくると思うんだ。
ベタのような単独飼育の魚は、外観の完治じゃなく「元気よく生きる」ことを考えていくという手法も悪くないとは思うよ。(まさに今船長さんがやっていることだね)
次に急死の話だけど、魚を飼育していると「原因不明」な急死って出てくる時があると思うんだよね。
個体が先天的に弱かったという可能性とかもあるからね。
ただそのあたりの原因の断定は難しいから、今の船長さんのようにいろいろな可能性を考えていくことがとても大事だと思うよ。
あの水換えがだめだったのかな?とか水温かな?とか、今の環境を見直すきっかけにしていくことが本当に大事だと思うんだ。
ってなんだか私も曖昧な返答で、確実な情報を答えれなくてごめんなさい。
でも船長さんみたいにいろいろ追求していくこと、これは本当に、本当にアクアリウムを続ける上で重要なことだと思うんだ!
いろいろ大変だと思うけど是非頑張ってみてほしいんだ!
ぷれ子さん、こちらこそお返事に対するお返事が遅くなりまして…。
ご意見、有難う御座います。
急死の原因は未だ憶測の範囲を超えず、助けられたかどうかも分からないですが。
でもショップでボロボロのまま売れ残ってしまうより、家に来て少しの間でも回復し楽しそうにして懐いてくれたので、良い部分を都合良く切り取って、悔やむ部分は悔やんで、糧として今居る子達と生きて行きたいと思ってます。
ポップアイの方は未だに出目金みたいな片目ですが、大きい水槽を出来るだけ自然に近い状態に立ち上げ、自由に泳いで貰ってます。
コーナーに仕切りを作ってメスと混浴中です。
今日、久々に泡の巣を作って朝からご機嫌でした。
薬浴の他にもココアとか塩とか色々試しましたが、辛い薬浴より楽しければいっか、と思ってこちらの方法に切り替えました。
船長さんこんにちは。
御返事ありがとうなんだ!いつも私こそお返事遅くて申し訳ないんだ。
憶測の範囲をでないことってアクアをやっているとあるよね。
ポップアイはほんと治すのが難しいんだ。
でも元気そうで本当に良かったよ!
それもこれも船長さんの愛情だと思うんだ。素敵な話を聞かせてくれてありがとうなんだ!
ぷれ子さん、御無沙汰しております。
随分経っていますがご報告の為にコメントさせて頂きました。
あのベタは、今年の冬2月に亡くなりました。
家に来て2年も一緒に居てくれました。ショップで半年だったので、2歳半くらいだったでしょうか。最後は何と力を振り絞りガラス越しまで泳いで来て、こちらを見たまま亡くなりました。
昨年12月辺りから泳ぐ力が弱まり、水面の餌を狩る事が出来なくなっていたので、スポイトで口元まで運ぶ介護生活でした。苦笑。
元気に泳げる内もポップアイで乱視だったので、指で誘導しながら餌を獲らせていて、一年半以上の介護の思い入れがあります。悲しいというよりも、よく生きてくれた!と一緒にやり切った感があります。
一度も誰とも争った事のない優しい子でした。(フレアリングも嫌い。)
こちらのサイトは何度も参考にさせて頂きました。
魚は病院も無く、相談出来る所が少ないので、ベタの為になりました。
至らない点も多かったので、アクアの知識をもっと頭と体に入れたいと思っています。お礼とご報告までに。
有難う御座いました。
ぷれ子さんこんにちわ。いつも参考にさせてもらっております!!
本当に詳しくわかりやすくて素晴らしいです!
いつもは読んでばかりでコメントなどしないのですが、1つ気になったので質問します。
上記の記事で、メチレンブルーを塗るとありますが、これは薄めたものを使用しているんでしょうか?それとも原液ですか?
いずれ使うことになるかも知れないので質問させていただきますっっ
サンセットさんこんにちは、サイトを褒めてくれてありがとうなんだ!
メチレンブルーだけど私は飼育水で湿らせた綿棒とかで塗るから実質薄めていることになると思うんだ。
いろいろなやりかたがあるから「これが正解」とはいえないけど、私は濃度とか塗るか塗らないかは魚の様子を見て毎回考えるようにしているよ!
なかなか参考になる話をできなくてごめんねなんだ!