インタビューこんにちは、根黒ぷれ子です。

今日は大大大ニュース!

 

なんと私、根黒ぷれ子が……

「月刊アクアライフ」の編集長である「山口 正吾さん」にインタビューをさせてもらったんだ!

 

アクアライフを作る側である山口さん。

他では聞けない貴重な話をたっっっくさん、してくれたよ!

 

それでは……

前置きはこのくらいにして……

私、根黒ぷれ子の「アクアライフ編集長インタビュー!」どうぞご覧ください!

月刊アクアライフ編集長「山口 正吾」様にインタビューさせていただきました!

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ぷれ子:えっとすいません、いきなりものすごく緊張していて挨拶とかまともにできなさそうなんですが、えっとどうぞよろしくおねがいします!

 

山口:よろしくおねがいします。今日は気負いなく、普通の感じでお話ししたいと思っています。

 

ぷれ子:ありがとうございます!では、はじめに自己紹介をお願いします!

 

山口:1996年にエムピージェーに入社。アクアライフ編集部に配属されて、2000年に編集長になりました。その後、ずっと同職です。

 

ぷれ子:ありがとうございます!それでは本日改めましてよろしくおねがいします!

 

山口:よろしくおねがいします。

月刊アクアライフとは

ぷれ子:アクアライフという雑誌はどういうものなのでしょうか?

 

山口:アクアライフは1979年創刊の月刊誌で、来年で創刊40周年となります。主な掲載対象は熱帯魚ほか水生生物全般で、簡単に言えば水槽における飼育の実用系雑誌です。

 

ぷれ子:私もアクアライフはすごく実用度の高い雑誌だと思います。飼育記事や、細かなノウハウなどアクアライフでしか読めない話は本当に多いですよね。

 

山口:ありがとうございます。とはいえ、実用だけではなくて、たとえばフィールド記事など、関連する情報は幅広く扱う方針です。

 

ぷれ子:確かにアクアライフはフィールドや養殖場の話など、幅広い話題を見ることができますよね。本当にすごい数の情報を毎月掲載されていると思います。フィールド記事は私みたいな一般人では見ることができない「魚の現地での姿」を知れるのですごく好きです。

巻頭特集はどうやって決めているのか

ぷれ子:毎月アクアライフの巻頭に来る特集というのはどうやって決めているものなのでしょうか?

 

山口:まず、月の頭に編集会議があって、そこで次号や次々号の骨格を決めていきます。
特集のテーマ決定に関しては、色々な経緯があるので、一概に言いにくいのですが、基本的には市場におけるリサーチを根拠にすることが多いです。簡単にいうと「あのお店であの魚が人気らしいよ」みたいな話の集積ですね。
他にも過去の実績なども参考にはしています。でも、過去のデータばかりに偏ると新しいコンテンツが生まれにくくなるので、そのあたりは注意しています。

 

ぷれ子:なるほどです、リアルタイムだったり今までの経験だったりいろいろな観点から決められているのですね。

 

山口:「これが特集か」と驚いてもらいたい気持ちもありますね。そのため、年に何回かは「賭け」に出ることもあります。アクアライフの場合、特集のテーマで売り上げが左右される傾向もあるのですが、それでもチャレンジしないといけないと思っています。

 

ぷれ子:確かに私もアクアライフの巻頭特集に衝撃を受けたことは何度もあります。
最近だとパルダリウム特集!
あの時は「アクア雑誌が陸上の話題を巻頭に!?」と驚いた覚えがあります。
振り返ると、あれはアクアリストが趣味の幅を広げる大きなきっかけになった特集のような気がしますね。
もし差し支えなければ、最近「賭け」に出た特集を教えてもらえますか?

 

山口:おっしゃるとおり最近の賭けはパルダリウム特集です。アクアリウム雑誌なのに水がない水槽が載るというのは、正直なところ迷いや不安がありました(笑)。
当時パルダリウムという言葉も浸透していませんでしたし「大丈夫かな?」と思った記憶があります。

 

パルダリウム巻頭特集号
アクアライフ2016年7月号レビュー
アクアライフ2017年6月号レビュー

 

ぷれ子:あの特集がパルダリウムという言葉を浸透させたと私は思います!私も植物を育てたりパルダリウム的なことはやっていますが、アクアライフで見るまでパルダリウムという言葉は全く知りませんでした(笑)。そのおかげで「Paludarium」と横文字で検索かけたりして、新しい情報を得ることもできました。
やはりこういう賭けはいろいろな意味でインパクトを残す気がしますね。

 

山口:パルダリウムに限らずいろいろなチャレンジをしてきたように思います。10年以上前に初めて金魚を特集した時は、内外から色々なご意見をいただきましたが、今や定番の特集ですから。これはメダカなどにも言えることですね。
「熱帯魚雑誌」という基本があるにせよ、それを良い意味で変化させていきたいと思っています。

 

ぷれ子:アクアライフがきっかけで読者も変化する。こういう経験をもっている方はきっと多いと思います。私も子供の頃からアクアライフからいろいろな変化をもらった記憶があり、それは今でも続いています。

 

山口:ありがとうございます。私も読者の時にはアクアライフで驚きたいと思っていたので、そう言っていただけると嬉しいです。

巻頭以外の特集、連載はどうやって決めているのか

ぷれ子: 巻頭以外の特集や、連載記事にはマニアックなものが多いような気がしますが、そういったところはどういう感じで決められているのでしょう?

 

山口:けっこう、個人的な趣味が反映されますね。「今これ飼っているけれど、面白いよ」というスタッフの意見から企画が固まることが多いです。もちろん、巻頭特集にも個人的な趣味を反映させる部分はありますが、小特集はより個人的です。肌感覚というか。

 

ぷれ子:なるほどです!言われてみると、サブ特集や連載はピンポイントでハートに突き刺さる記事が多い気がします。最新号のアフリカンマッドフィッシュ特集はもう私的には「待ってました!」って感じでした!

 

アフリカンマッドフィッシュ掲載号
アクアライフ2018年5月号レビュー

 

山口:あれは、編集部の一人が好きな魚で。この10年くらいの間に、何度か誌面に出ていますね。市場ではあまり見かけない魚ですが、誌面ではわりと見かけるという(笑)。

 

ぷれ子:今言われて思い出しましたが、この魚を始めて見たのはアクアライフかもしれません(笑)。

 

山口:特集にしても小特集にしても、編集部の皆が合意して初めてゴーサインです。趣味の雑誌ですから、あまり市場原理みたいなものばかりでも……という気持ちはあります。

 

ぷれ子:「趣味の雑誌ですから、あまり市場原理みたいなものばかりでも……」この言葉、を聞いてすごく嬉しくなってしまうアクアリストは多いと思います!私もですが!

アクアライフを作っている「人達」とは

ぷれ子:素人の私からすると、これだけの多種多様な情報を毎月毎月まとめるということがどのくらい大変なのか想像がつかないのですが、何人くらいでアクアライフを作られているのでしょう?

 

山口:まず、制作スタッフは、アクアライフ編集部が私を含めて4人、カメラマンが2人です。それで、これらが常にアクアライフに携わっているかというとそうも言えなくて、折々の増刊や書籍の制作もしています。
記事は編集部が1から作っているものばかりではなくて、著者の原稿をいただく連載などもあります。

 

ぷれ子:臨機応変なのですね!

 

山口:そうです、臨機応変です。ただし、アクアライフ以外の媒体を手がけることは、結局アクアライフにもプラスになると考えています。たとえば、大型魚の雑誌を作れば、よりディープな大型魚の世界に触れることができる。それを、アクアライフにフィードバックさせることもできます。

 

大型魚専門誌
GIGAS創刊号レビュー

 

ぷれ子:編集部で働く人はどんな方が多いのでしょうか?やはり「アクアリウムが好き!」という方が多いのでしょうか?

 

山口:スタッフは元読者が多いです。これはアクアライフの制作スタッフに限らず、エムピージェー(アクアライフを作っている会社)全体でも言えることです。だから、社内の共通の会話に、アクアリウムや生き物のことがあります。

 

ぷれ子:元読者さんが多いんですね!

 

山口:それによる弊害もあるのかな……と感じることもありますが、まあ、そんなことを考えても仕方がないので。
最近、編集部に入ったスタッフは、もともとアクアライフのガチガチな読者でもないのですが、生き物が好きだったりします。

 

ぷれ子:アクアライフを見ていると「生き物への愛情がすごく伝わってくる!」と感じることがよくありますね。

 

山口:そうですか。たしかに生き物が好きという感覚は、わりと直接的に仕事に結びついていると思います。

 

ぷれ子:やっぱり生き物好きな人が多いんですね。

 

山口:昨日も、スタッフ数名と話していたのですが、皆が小学生や幼稚園の頃に生き物図鑑を作っていたという過去が発覚したりして。面白いですよね。

 

ぷれ子:その話聞いてみたいです!そこまで聞かせていただくとインタビュー時間がすごく伸びてしまいそうですが、大丈夫でしょうか?

 

山口:今日は時間あけてあるので大丈夫ですよ。

 

ぷれ子:ありがとうございます!

 

山口:では図鑑の話を。カメラマンと新人のスタッフと私とで話していたら、それぞれが図鑑を手作りしていたという話になって。
それで、私以外の二人はフィールドで実際に見た生物の図鑑を作っていたそうですが、私は他の動物図鑑から引用して作っていたと。

 

ぷれ子:アクアライフを作る前から生き物好きであり編集者であり……だからアクアライフがあるみたいな感じしますね!

 

山口:そんな過去からしても、他の二人と比べると、私は編集者っぽいという気もしました。他の二人の方が、よりガチなマニアだなあと(笑)。

 

ぷれ子:だからこそあの濃度が生まれているのですね!

 

山口:それで、モノクロのマニアックな記事ですよね。これは弊誌に限らず多くの雑誌が似たような配慮をしていると思うのですが、ぱっと興味を引く記事と、いつまでも保存しておきたい記事、それを上手くブレンドすることが、大切だと思っています。

 

ぷれ子:そのブレンド具合は難しそうですね……!
私は「アクアライフは表紙だけで決めたらダメ」とよく思うんですね。例えば、メダカには全く興味ない人がいたとして、メダカが巻頭特集になっているアクアライフを見て「メダカに興味ないから」と買わないと「メダカ以外」の記事を見ずに終わってしまうじゃないですか。それがもったいないなぁと。
私もアクアライフを見ていて興味がない記事というのはやっぱり出てくるんです。ただそれはその時興味ないだけで、後々興味が出ることもあるので、情報として手に入れておきたいという思いがあるんですね。

 

山口:この記事の配分というのは本当に言葉にしづらくて。ただ、「その時わからない記事がある」ほうが、普通の雑誌であると思います。

 

ぷれ子:モノクロ部分は本当にマニアックですね。え?え?何この特集……え?ってなる時あります(笑)。
でもアクアリウムってそういう感覚がむしろ欲しいものだと思うんですよね。自分の理解が追いつかないマニアな要素がまだまだ用意されているからこそ、安心して深みへとはまっていける。雑誌をひらいて全部簡単に理解できてしまっていたら、それはそれで退屈な気がします。

 

山口:おっしゃる通りです。
私達は、マニアックな記事と、内容が破綻している記事、これを混同しないようには気をつけています。いくらマニアックでも、文を追っていけば(単語を調べたりして)、なにかしら得られるものがあると思うんです。

どんな魚にも良いところがある!

ぷれ子:上手い例えになっているかはわかりませんが、アクアライフって「ネオンテトラからアクアリウムに入って、ネオンテトラよりマニアな魚を求めるようになり、一周回ってネオンテトラの魅力に気が付きネオンテトラの知られざる話が知りたいからまた読む」というような自分の「アクアリストとしての変化」に合わせて、長く楽しむことができるような作りになっているような気がします。

 

山口:私は生き物に上下をつけたくないと思っていて、それでツイッターのプロフには「どんな魚にも良いところがある!」と書いたりしていますが、スタッフ全員そういう気持ちがあると思いますよ。

 

山口さんのTwitterはこちらから

 

ぷれ子:その気持ちわかります!やっぱりどんな魚にも良いところがありますよね。熱帯魚なめんなでもその気持を大切にしたいと思っています。

 

山口:ありがとうございます。ちょっと話は異なりますが、まっさらな気持ちで見たら、ネオンテトラよりきれいな魚って、なかなかいないと思いませんか。

 

ぷれ子:はい、ネオンテトラはこれだけ愛されるだけの理由がある魚ですよね。
メジャーすぎてその魅力を見落としてしまうことって趣味のジャンルにはあると思うんですが……その「メジャーだからというフィルター」をはずすことができると、よりアクアリウムを楽しめるというのはあると思います。

 

山口:結局、受け止める側の成熟度みたいなものが大切なんでしょう。準備する気持ちというか。偏屈であってはいけないと。
せっかく外国から来ている魚なんですし。

 

ぷれ子:ですね、ほんとすごいことだと思います。
こうした精神面というか、気持ちの面について上手く語りきれないというジレンマが私の中にあるんです。
魚が好きという気持ちはあるけれど、私の水槽は本当に魚にとって良い場所なのか、自分は良い飼育者なのかなどなど。
今このサイト「熱帯魚なめんな」で記事を書かせてもらっているので、そういう思いをもっと形にできたらとは思うのですがなかなか難しいですね。

 

山口:うーん、それはありますね。私も色々考えてきましたが、結局、尊重する気持ちをもって魚と接すること、そこを外さなければいいのかなと思っています。

 

ぷれ子:確かにそれがいちばん大切だと、私も思います。

特定外来生物に指定された「ガー」の情報掲載に込められた思い

山口:誌面づくりでも、そこ(魚を尊重すること)はとても大切にしていて。私は編集部のスタッフに口酸っぱくいうタイプではない……と思っているのですが、一つだけ継続的に伝えていることは「誌面から虐待感が漂わないように」ということです。これは、普段の生活、取材から気にしないといけないと思っています。

 

ぷれ子:最近のガーに対する記事で、その気持が込められていることをすごく感じた気がします。テレビとかで怪物扱いされるのは仕方ないことだと思うのですが、やっぱり魚好きとしては心が痛むんですね。仕方ないことだけど割り切れない的な。
でもアクアライフのガーの扱い方には、心を救われました。

 

山口:担当の編集スタッフが適切な距離感をもって記事を作ってくれたと思います。

 

ぷれ子:アクアリストが「大好きなガーのために何ができるか」という、アクアリストのため、そしてガーための記事だったように思います。ガーを飼ってない人にも触れてほしい「思い」だと私は思いました。

 

山口:人へのものの伝え方には色々な方法がありますが、直接的に「あれがいい、これはダメ」というのは特に雑誌においてはちょっと違うかなと思います。

 

ぷれ子:私もこのサイトで情報発信をしていて、それは大切にしたいと思っています。まだまだそれをちゃんとできているとは言えないのですが。

 

山口:あれはいい、これはダメだと3行で終わってしまいますからね。

 

ぷれ子:そうですね、そうしないようにと考えて書くと長くなってしまう。あんまり書きすぎるとわかりにくくなってしまう、でもある程度まとめないとあやふやになってしまう……こう考えると、やっぱり私の場合は「飼育に絶対はないし、ぷれ子は所詮ぷれ子だから、「熱帯魚なめんな」はあくまで参考用の一例としてみてください」ということをもっと伝えていけるようにならないといけないと思うことが多いですね。

ウェブと紙媒体の違い

ぷれ子:山口さんは熱帯魚なめんなのようなウェブと、本・雑誌のような紙媒体とではどういう違いがあると思いますか?

 

山口:ウェブにも色々ありますが、きちんとしたサイトはきちんとしていますし、参考にしているサイトもあります。
一番の違いはといえば、何でしょう……ウェブと紙との違いではありませんが、カロリーが大きいですかね、アクアライフの場合。関わっている人数や割いている時間は、アクアリウムを扱うメディアの中では大きい方ではないのでしょうか。

 

ぷれ子:確かにアクアライフを作る時に消費するカロリーは絶対大きいと思います!

 

山口:皆がけっこうなベテランですし、キャリアのあるスタッフがメインの仕事としてアクアリウムの情報を発信している、ここがアクアライフの特徴の一つかもしれません。

 

ぷれ子:そうですね、私が毎月熱帯魚なめんなでアクアライフをレビューしているのは「プロの作ったアクアリウム情報」を手にしてほしいという思いがあるんです。うちのサイトを頼りにしてくれるのはとても嬉しいですし、できるだけ良いものになるように書いているつもりではいますが。
それでもやはり私は、熱帯魚なめんなの情報より、アクアライフやショップのプロの情報に目を向けていくことのほうが重要だと考えてもらいたいのですね。
これは謙遜とかでも何でもなく、自分のアクアリストしての今までの経験を振り返って思うことですね。

 

山口:ありがとうございます。あとは、そもそも論として、紙は紙ですよね。私の中ではウェブと違うもので、比較の対象にもあまりなりません。どちらが上または下の話ではなくて、紙で作られている雑誌や書籍は「もの」なんですよ。

 

ぷれ子:そうですね、私も別物だと感じています。できるだけ熱帯魚なめんなでは「ウェブならでは」の情報を届けたいというのが私の思いでもあります。

 

山口:私どもも、もう少しウェブには注力しようと思って動いているのですが。それでも、紙とは別物になるんだろうという想像はあります。

 

ぷれ子:アクアライフのウェブ、それはとても気になりますね!

 

山口:電子書籍はすでに出していますけれど。ただ、紙媒体を持っているというのは、ありがたいことなんだな……と思うことは多々あります。海外の方からも反応をいただくことがあるのですが、それはやはり紙ならではの感想なんですよね、たぶん。

 

ぷれ子:私も一度置き場所というか部屋にスペースがなくなってきたのでアクアライフを電子書籍版のみにしていこうかと思った時があるんですが、結局「やだ!紙でほしい!」とすぐ思ったんですね。これはきっと「紙ならではの思い」なのだと思います。
私は熱帯魚なめんなで記事を書いて、こうして誰でもアクセスして見てもらえることをとてもうれしく、誇りに思っています。
でも、それとは別で「紙に書いてみたい!自分の文章を紙の上で見てみたい!」という憧れもあったりして……そういう事を考えていくと紙って不思議だなと思います。

 

山口:アクアライフに限らず、紙の雑誌や書籍全体の話かと思うのですが、私個人的には紙は紙であって、それに触れている時間は好きなんです。
ウェブはやり直しがきくのがうらやましいです。間違えたら、ログインして修正できますから。それは本当に大きな違いだと思います。

 

ぷれ子:そうですね、そこは大きな利点かと思います。実際私も読者さんからコメントでアドバイスを貰い、記事を修正したり追記させてもらったりしていて、そのおかげで熱帯魚なめんなが良いものにできているとすごく感じますね。

 

山口:間違えると、色々な方面からお叱りを受けるんです(笑)。だから、校正にはけっこう大きな時間を割いていて。ウェブとは違うんでしょうね、そこは。

 

ぷれ子:印刷したものはログインして編集できないですもんね!

 

山口:それでも、間違えることはあって。まあ、ある程度のところで切り上げないと、いつまで経っても出版できませんから。

 

ぷれ子:確かに月刊ですもんね。
ウェブの利点としては、記事のリリースの締切の調整がしやすいというところがありますね。
あとは、コメント欄も合わせて見れるというのも、すごいことだなと思います。熱帯魚なめんなのコメント欄ってすごく熱い想いを語ってくれたり、情報を載せてくれたり、質問してくれたりと、サイトの記事だけでは形にできないものを形にしてくれていると思うんですね。熱帯魚なめんなにとってコメント欄は宝物といえる存在です。

 

山口:いいですよね、それも。うちはツイッターやフェイスブック、あとは電子メール、またはお手紙などでご意見いただいています。

 

ぷれ子:はい、なんかアクアライフって読者さんとの交流をすごく大切にされている気がします。
読者投稿コーナーも熱いですよね!なんていうかそういう「人間味」を感じられるところが、アクアライフの素敵なところだと思います。

 

山口:少人数で作っているし、専門のライターさんなどが少ない分野ですから、どうしても編集者の個性は出やすいかもしれません。
そういえば、昔からツイッターやフェイスブック、インスタグラムにもあまり抵抗なく接していますね、うちの雑誌は。全然、身構えずに告知や募集に利用しています。

 

ぷれ子:アクアライフの言葉って「生きている」感じがするんですね。人間が書いているって感じが。だからこそアクアリウムという趣味の情報源としてだけでなくアクアリストという「人の心の部分」に届くものになっているのではないかと、勝手に思っています。実は私がこのサイトを作る時に憧れたのが、アクアライフであったり、ある飼育書だったり「書き手の思いがこもったノウハウ文章」だったんです。
きっとそういう部分って、そういった読者さんのことを意識したスタンスがあるからこそ生まれるものなのかもしれませんね。

 

山口:ありがとうございます。あまり文体や姿勢を意識したことはないのですが、それも先輩から引き継いだ伝統なのかもしれません。

熱帯魚なめんなについて

ぷれ子:うちのサイト「熱帯魚なめんな」に聞いてみたいことなどはありますか?

 

山口:まずは、イラストが可愛いな、と思っていつも見ています。

 

ぷれ子:ありがとうございます!

 

山口:雑誌などのレビューも、よく「中の人」が練られているなあと思っています。

 

ぷれ子:ありがたいお言葉すぎて、何も言葉が出てきません!

 

山口:聞いてよいのかわかりませんが、架空の設定を読者と共有するのは、けっこう難しいのではないかと想像していて。紙の雑誌でも、以前はたとえば仮の編集長を立てて……という雑誌も見かけたことはありますが、実際にはどんなところに気をつけていますか?

 

ぷれ子:聞いていただいて大丈夫です(笑)。
一番気をつけているのは記事を書くのは「中の人」ではなく「根黒ぷれ子」であるということです。当サイトでは中の人はチラチラっと存在が見え隠れはしてはいますが、どんな魚を何匹飼育しているかや、水槽そのものの写真など、中の人の具体的なことはあまり掲載しないようにしているんです。
そうすることで、サイト内で語っている水槽のイメージに「固定のイメージ」がついてしまうことを避けたいという考えがあるんです。

 

山口:「中の人」はいないと。

 

ぷれ子:はい、まさに「中の人はいない」となっているかんじです(笑)。
自分の水槽を具体例として出すのは、解説する上でのメリットも大きいと思うのですが、熱帯魚なめんなのテーマの一つである「飼育に絶対はない」ということを「アクアリウム情報サイト」として表現するためにはどうしたら良いのか……ということを考えた結果、今の形になりました。

 

山口:それもプロですよね。ウェブに限定の話ではなくて、そういうことができるのって、一つの才能だと思いますよ。

 

ぷれ子:ありがとうございます!
このサイトをどういうサイトにしようかと考えている時に、一番悩んだのは「根黒ぷれ子」についてかもしれません。

 

山口:そうですか。漫画などではキャラが一人歩きするなんて言いますけれど。一つの境地というか、作っている人もゾーンに入っているんじゃないですか。

 

ぷれ子:ぷれ子は本当に、一人歩きしているような気もします。
読者のみなさんが、このサイトの記事を「ぷれ子の話」として読んでくれるからこそ「根黒ぷれ子」が存在できているような気がするんですね。コメント欄でもみんな、ぷれ子に話しかけてくれていますし。これはすごく、幸せなことだと思います。
そういえばちょっと変な質問なのですが、仮に「熱帯魚なめんなで、おもしろそうな企画を考える」というお題があったとしたら、山口さんはどんな企画が思いつきますか?

 

山口:ウェブの特性を活かすのであれば双方向やライブ配信が思いつきます。たとえば、イベントレポートをライブで行うのはどうでしょうか。主催者がライブ配信するアクアリウムのイベントはすでにありますが、それを第三者であるレポーターが行なうのは、この分野では稀かもしれません。ただ、それであると「中の人」が前面に出ざるを得ないし、難しいですか(笑)。

 

ぷれ子:確かに中の人が前面に出ることになってしまいますね(笑)。実は私あまりアクア関連のイベントには行ったことがないのですが、もし行く機会がありましたらライブ……とはいかなくとも記事等でレポートしてみたいと思います!

まとめ

ぷれ子:本日はいろいろ聞かせてくれてありがとうございました。なんていうか聞けば聞くほど、聞きたいことがでてきてしまう、すごく素敵な時間を過ごさせていただきました!

 

山口:こちらこそありがとうございました。ライブ感のある面白いインタビューだったと思います。

 

ぷれ子:最後にこのインタビューを見ている熱帯魚なめんなの読者さんになにか一言いただけますでしょうか?

 

山口:アクアライフという伝統ある雑誌の制作に携わってきた、それは私にとって幸せなことであると思っています。アクアライフの伝統は読者の皆さんや関係する皆さんとともに作り上げてきたものですが、「熱帯魚なめんな」も「中の人」と読者の皆さんとでともに盛り上げて、末長く続いてほしいと願っています。

 

ぷれ子:ありがとうございます!これからも熱帯魚なめんながんばります!

 

山口様、本当にありがとうございました!
これからも素敵な「月刊アクアライフ」を楽しみにしております!

月刊アクアライフ
1979年創刊の熱帯魚、水生生物等の専門誌。
飼育に関するノウハウだけでなく、生息地のレポートや器具に関する話、読者投稿コーナーなど幅広い「アクア情報」が掲載されている、ビギナーからマニアまで楽しめる内容のアクアリスト必見の雑誌です!アクアライフ定期購読キャンペーン

 

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