コケリウムを買ってきたけど、茶色くなってしまった……。
コケリウムは「霧吹きだけで簡単に管理できる」って聞いたけど、ダメだった……。
はいこんにちは、根黒ぷれ子です。
コケリウムってさ、簡単だって言われるわりに意外と失敗してしまう人が多いよね。
しかも失敗のパターンがいろいろ。
よくある失敗例をまとめるだけでも↓みたいに、たくさん出てくるんだ。
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というわけで今日は、そんな失敗に対しどう考えていけばいいかという対策を覚えていこう!
コケリウムに失敗する人が多い理由

ぷれ子さん!ワタクシの友達のコケリウムが……!

あー、苔腐ってんじゃん。

霧吹きだけで大丈夫って話を聞いたのにって、落ち込んでいますわ。

ん。とりあえず苔をビンから出して、腐ったとこは取り除いてあとはちょっと乾かしてから作り直してって伝えて。

え?湿度大事なのに乾かしていいんですの?

うん、適度にね。程よく程よく。

そんなニュアンスで言われてもわかんないですわよ……。

う……。
コケリウムに失敗する人が多い理由。それの理由は一言で言ってしまえば、苔が生き物だからなんだ。苔は生きているからこそ「求める環境や世話」がある。つまり、そこを間違うと上手く行かないというわけだね。
例えば霧吹き。
あれって人によって「霧吹きの量や回数」が変わってくるよね。そういう微妙な差で、うまくいく人、失敗する人が分かれたりもするんだ。苔が欲しがっている以上に霧吹きをしてしまったり、逆に不足したり。つまりコケリウムを成功させるためには、霧吹き一つとっても「苔に合わせた」やり方が必要ということだね。
ちょっと細かい話だけど、最近「簡単管理!」と言われるコケリウムは、コケリウムに合った種類である程度の環境耐性がある「育成難易度の低い苔」が使われていることが多いんだ。
でも、そんな育てやすい苔でも無敵ではない。苦手な環境に置かれれば、当然弱ったりだめになってしまうものなんだ。
苔は生きている。
コケリウムを楽しむときは、この考えを絶対に忘れないようにしよう。
コケリウムのよくある失敗例と、対策方法集
さて、ここからは具体的な失敗例とその対策を見ていこう。
苔は種類によっては、かなり強い生命力を持っているから失敗してからも「復活」させれることもあるんだよ。もちろん、手の施しようがないときもあるけどね。その復活のためにも、いろいろな失敗例は覚えておきたいね。
それにトラブルのパターンや原因を知っていれば、トラブルそのものを避けることもできる。大切なコケリウムを長く長く楽しむための「予防」のためにも、ここからの解説をしっかり読んでほしいんだ!
1.苔が茶色くなって枯れた
コケリウムの苔が枯れた。こうなってしまう理由の多くは、水不足だ。容器の中を見て、指で触ってみて「乾燥しすぎているな」と感じたら霧吹きの回数を増やしてみよう。
本当に乾きすぎているときは霧吹きではなく水をかけて、しっかり湿らせてしまうというのもありだね。ただその場合は、水やりの後に容器を傾けて、溜まりすぎた水は捨てておこう。
他に枯れる原因としては「光量不足」がある。苔が育つには光がいるからね。そんなときは窓際などに移動し、光を当ててあげよう。ただ苔は種類によっては強すぎる光を好まないから、注意して置き場所を考えてあげてね。逆に、苔の種類によっては日光が当たりすぎると茶色くなってしまう時もあるということも、合わせて覚えておこう。光は苔の種類や状態に合わせて調整するってことだね。
光を取り入れる時は、日光により容器内の温度が高くなりすぎないように気をつけることも大切だ。不安な場合は、西日より東の朝日、植物育成用や、水草水槽用のLEDなど、熱くなりくい光源を利用することから考えてみよう。
枯れて茶色くなった苔は、そこから新しい苔が生えてきたりもするから、すぐに捨ててしまわず環境や扱い方を変えてしばらく様子見をするという考えも持っておくと良いよ。毎回復活してくれるわけではないけど、意外とあることだからね。
2.苔が腐った
これも「茶色くなる」現象の一つだね。ただ明確に違うところは、枯れたのではなく腐敗しているということ。つまり、対処の方法がぜんぜん違うんだ。
この原因の多くは加湿。苔が求める以上の水分を提供してしまったり、容器の底に水が溜まってそれが腐ったりなどなど……水やりが原因で起きることが多い。
他にも「日光が当たりすぎて容器内の温度が上がる」などで、蒸れた時にもおきがちだ。蒸れると苔に本当に大きなダメージを与えるから、置き場所は注意しないといけないね。特に小さな容器で作ったコケリウムの場合は、そうしたトラブルが起きやすいよ。
高湿度と蒸れは違う。
ちょっと難しいけどこれはしっかり頭に入れておこう!
対策としてはまず通気を良くすること。そうやって環境を改善しないと、同じ失敗を繰り返してしまうんだ。
実際に腐らせてしまった場合は、腐敗した部分を取り除くようにしよう。そこから腐敗が広がり苔全体がダメになってしまうのを防ぐんだ。コケリウムは閉鎖的な空間だから、中に腐敗したものがあるのはあんまりよくないからね。自然界の場合は「土や微生物が分解」してくれたりするけど、狭い空間ではなかなかそれが追いつかず、ただただ環境が悪くなっていく場合があるんだよ。
こうした場合は、土も悪くなっていることが多いから、思い切って土を入れ替えるのもありだね。新しい土にする時に、全て土にするのではなく底の方に「大粒の砂利」なんかをいれて、底に溜まった水と土が触れにくくするというのも良い手段だよ。
園芸用の軽石とかも、底に入れるのに使いやすいね。
ちょっと難しい話を追加でしておくと、土や砂利には「酸性、アルカリ性」と土のpHを傾ける作用のものがあるんだ。その方向性が苔の種類の声質とあわないと上手く育たなかったりするということも覚えておこう。
3.カビが生えた
これも通気が悪いと起きがちだね。あとは腐った苔がそのままになったりしていると生えたりするよ。
基本対策としては通気を良くすること。

画像出典元:charm
もしあまりひどい場合はカビを除去して、苔を傷めない程度に水洗いし、もう一度作り直すというのもありかな。
他の手段として、薄めたアルコールをかける、苔を一度乾燥させるなんていう方法もあるね。ただこれは苔の種類や状態によっては致命傷になりかねないから、不安な場合は全部の苔に同じ方法を適用するのではなく「苔をいくつかに分けて」手段を変えてやってみよう。
たまにレイアウトに使用した流木なんかに生える時もあるから、そういう場合は流木を天日に干すなどして、流木自体にカビが生えないように対応するといいかな。
どうしても湿度を保つ空間だからね、カビの生える確率は高いんだ。ただいい感じに苔が育つとカビが生えにくくなったりもするから、良い環境を作り込むつもりでがんばっていこう!
4.虫が発生した
販売されている苔は、屋外で育てられたものがほとんどだ。
だからこそそこから、虫が発生する場合がある。
少量であれば捕まえるという手段もとれるんだけど、あまり多く出る場合は園芸用の殺虫剤の使用なども視野に入れていこう。
ただ植物用の殺虫剤には、植物の種類により合う合わないがあり、さらに大半が「野菜、観葉植物」用だから苔に使えるかどうかは書いてなかったりするんだ。だから専門店で相談したり、様子を見ながら使用していかないといけない。不安な場合は、カビの項目でも話したとおり苔を「分けて」殺虫剤を使って試してみよう。
殺虫剤を使いたくないときは、コケリウム自体を作り直すという方法もあるね。完全にいなくなるようにはできないかもしれないけど、土をかえて苔を洗うだけでもだいぶ変わってくるよ。
元々苔にいた場合だけでなく、コバエなんかが後から発生することもある。そういう場合も土の入れ替えで解決することも多いね。悪くなった苔を取り除いていくなど、日々の手入れをするかしないかでもだいぶ変わってくるかな。
5.生体を入れたら調子を崩した
コケリウムでカニやイモリなどの生体を飼いたい!そんな人は多いと思うんだ。
でもコケリウムに入れたことが原因で、生き物が調子を崩してしまうことがある。その多くの原因は、農薬や殺虫剤などだね。特に甲殻類は農薬等に弱いから、注意が必要だよ。レイアウトして飼育することも多いバンパイア・クラブの水槽に苔を入れる時は、注意が必要だね。
そうしたトラブルを防ぐためにも、コケリウムで何かを飼育したいときは、素性がわかっている「生き物飼育に使える安全な苔」を選ぶようにしよう。最近では生き物飼育用の苔を扱っているペットショップも増えたから、手に入れやすくはなったと思うよ。
あと生体に対してのトラブルの原因になるのは、想像以上の「湿度」かな。苔だらけの環境は乾燥を好む生き物だとちょっと合わなかったりすることもあるから注意しようね。
苔があるせいで「掃除しにくい」ということも視野に入れておこう。いくら植物が糞などを分解してくれるとは言っても限度があるからね。コケリウムでなにかを飼う時はそうやって「その生き物は本当にコケリウムに適しているか?」という視点も大切なんだ。
6.ずっと綺麗だった苔が突然枯れた
ずっと上手くいっていたのに、ある日突然調子を崩しだした。
そんなときはいくつかの原因が考えられるんだ。
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だいたいは根本的な環境の悪化、もしくは環境の急変が原因だよ。その原因を突き止め、正しく解決することが大事だね。
他にも苔が育ちすぎて密度が高くなり、蒸れやすくなったりすることもある。そういう場合は増えすぎた苔を一部とりだし、余裕を作るなども良い手段だね。
一時的に整った環境も、時間がたてば変化することもある。だからこそ、常に観察し状況に合わせた世話をする。これは生きている物を相手にする時は、とても大事な考え方なんだ!
7.違う苔を同じ方法で育てたらうまくいかなかった
これは本当によくあることだ。
Aという種類の苔を育てた方法が、Bという種類の苔には適用できないって話だね。

画像出典元:charm
苔にはいろいろな種類があり、水中やあまり湿度の高くないところに生えていたりなど、コケリウムでよく作られる「程よく湿度の保たれた環境」には合わないものもあるんだ。もっと湿度が必要だったり、高湿度があまり好きではなかったりね。ほら、苔って道端の超乾燥しているところとかでも見かけるでしょ?
高湿度を好まない苔はコケリウムではなく、鉢植えにして育てると上手くいったりもするね。
苔は苔だとまとめてしまわず、それぞれ種類ごとに好む環境がある植物だと捉えてしっかり勉強していこう。種類によっては、育成難易度の高い苔もあるってことも知っておくといいね。
マニアックな苔だと育成情報自体が手に入らなかったりね。種類がいまいちはっきりしない「種類不明」なんてものも、たまに売ってるよね。
逆を言えば、特に種類にこだわりがなければ「種類がわかる、情報が多い苔」を選ぶと、失敗しにくくなるということだね。
まぁでも、どんな苔を育てたいかは君の趣味にもよるだろうから、自分のやりたいコケリウムがどれくらい難しそうなのかを下調べしてから準備を始めると良いと思うんだ。
8.苔を複数種入れたら一種類になった
これも、コケリウムあるあるだね。
複数の種類を同じ容器で育成する場合、当然環境に「合う合わない」があり、「強い、弱い」が出てくるんだ。それを把握し、うまく手入れして調整していければ良いんだけど、放置しておくと勢いの良い苔が全てを支配してしまうことがあるんだよね。これは苔以外の植物でもある話だね。
植物の世界にも生存競争がある。慣れないうちはできるだけ種類は一つ、もしくは少なめにして育成の具合を含めた種類ごとの特徴をしっかり把握していこう。
配置する時に種類の違う苔を「離して」置いて、増えた時のゆとりを用意しておくと、対策もしやすいよ。苔がびっしり生えていると確かに見栄えが良いけど、最初から複数種でそれをやってしまうと「苔同士のぶつかり合い」が起きやすくなってしまうんだ。
保湿のために苔を密生させたいという考えがあるなら「乾燥水苔」を代わりに置いても良いね。ただあんまり安価な乾燥水苔は、腐りやすいから注意だよ。(あと国産の乾燥水苔とかは、水に浸すと復活してくることもあったりするってことも覚えておくと良いかもね。水苔は水苔で綺麗だけどちょっと扱い方が特殊だからね。)
まとめ
コケリウムのトラブル。それは苔の性質を理解できていないから起きる場合もあれば、コケリウムという空間に対する管理能力の低さで起きることもある。
そして長期的な維持となると、短期間とは違う問題が発生する場合もある。
さらにさらに今日話した原因とはまた別の原因でトラブルが起きたりすることもある。
だからこそコケリウムは、長い目で見てしっかり観察しながら臨機応変に世話をしてあげてほしいんだ!
問題が起きた時は「なぜその問題が起きたのか」ということをしっかり考えないといけないということだね。今日の話はその参考資料として見てくれたら嬉しいかな。
いや、ほんと苔っていいよね。上手に使えるようになると、テラリウムや箱庭などなど色々な楽しみ方ができるようになるよね。うん、苔ってほんと素敵なんだ!

コケリウムの失敗例の話って、ベタのビン飼育の失敗例に似てますわね。

あ、あるね。どっちも簡単に飼える!育てられる!という考えがあるからね。

実際簡単って言っていいんですかね。

うん、まぁベタも苔も育てやすいことは確かだよね。ただその「簡単」はちゃんと条件を満たした上での簡単ってことだってのは、意外と知られていない気がするな。(※ベタや苔にも種類によっては育成難易度の高いものが多数あります。ご注意ください。)

確かに!簡単って人それぞれですもんね。(※印突きの注意書きを吹き出しで言うのってどうなの……)

うん。簡単って言われる生物ってさ「悪い環境に強い」っていう側面があるんだよね。逆を言えばうまく飼育できていなくても「耐えてくれている」場合がある。そういう場合は、どうしても調子を崩したり、寿命をまっとうできないことがあるね。

無理させない、耐えさせない、適正な育成を心がけるってことですわね!

そうだね。実際知識や経験がないと「耐えてるだけ」と「上手く育てれている」ことの見分けもつかないしさ。その眼を養うためにも、学びながら観察を続けることはホント大切だよ。

観察していないとわからないことってたくさんありますもんね!
ぷれ子さんこんにちは。
「コケリウム」先月号のアクアライフさんを読んでから、なんとなく、「乾燥に強いコケ」と「湿度を好むコケ」の両方が有ると、知識は付いたものの・・・。
その・・・「霧吹き」の加減が解らず・・・。
「スナゴケ」辺りはよく地面に生えてるし、試しに育ててみようかな・・・?
とも思うのですが、あの「こんもり」したのが可愛かったり・・・。
ぷれ子さんの今回の記事を参考にしつつ、少しずつ手が出せればなと思います・・・。
青い3298さんこんにちは!ほんと苔っていろいろいるよね。
ほんと加減は難しいと思うんだ。湿度を好むと言っても加湿すぎるのもよくないし……。
でも苔魅力的なんだよね、きっとハマると思うんだ!うん!